THE ROLLING STONES
大阪サバイバルめし日記
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2003 Forty Licks Tour |
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終わってみれば、演奏よりもコンサート・チケットの入手の苦労のことばかりが思い出されるツアー。 チケットはドームのS席が定価13,200円、武道館と横浜アリーナが22,000円だったが、「5万円ならアリーナのステージに近いところ確約」という打診が来たのが発端。定価の3倍強。でも13,200円払ってスタンドで見るのとどっちがいい?遠征費を含め、冬のボーナスをつぎ込んだ。思えばあれが我が家のバブル期だったのかも…。 |
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武道館 3.10 2003年3月10日(月) 今回のリックス・ツアー日本公演は、当初東京ドーム2回、大阪ドーム2回しか発表されていなかった。でも横浜アリーナと武道館でコンサートがありそうだということは、最初から噂になっていた。 ブドカーン! 幻のストーンズ来日公演(1973年)の会場は当然ブドーカンの予定だった。当時は東京ドームなんてなかったから。まさか30年後にブドーカンでストーンズが見られるだなんて。そういえばストーンズのブートに「BUDOKAN」という曲があったけど、ストーンズは「ブドーカン」じゃなくて、「ブドカーン」と覚えているみたい。 とにかく1973年当時のファンの思い入れが深い上に、収容人数の少ない武道館のチケット争奪戦は東京ドームのチケットの何倍も熾烈。すでに東京ドーム・大阪ドームのチケット代だけで20万円(50,000円×4)も払っていたけど、さらに武道館と横浜アリーナのチケットを入手すべく、申し込んだ。武道館のチケットを手に入れたのは、コンサート開始の数時間前。あやしい1室で疲れ切った顔の男から手渡された封筒に入っていた…。 武道館のチケットは本当に稀少だったようだ。その後の横浜アリーナ、東京ドーム、大阪ドームは砂かぶり席だったけど、武道館だけは5万円も出しても、アリーナとはいえステージからはかなり遠い(09列65番)。5列目くらい前方にはシーナ&ロケッツの鮎川夫妻がいるし、すぐ前の列には鈴木ヒロミツさんがいる。芸能人でもそのくらいの席だ。 開場の30分前には会場にかけつけるが、武道館オリジナルTシャツはすでに売り切れ(数カ月後に入手)。 会場が小さいので、巨大なステージなどはなし。あっさりしたステージがかえって気持ちいい。ストーンズが登場したので、両手を挙げて飛び跳ねていたらブラジャーのホックがはずれた。Everybody Needs Somebody To Loveが気持ちいい〜!Slipping Awayでは、キースがギターを弾かずに杖代わりにもたれ、アカペラで歌い出した。寒気がするくらいカッコいい。
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横浜アリーナ 3.12 2003年3月12日(水) 横浜は家から遠い。コンサートが終わるのは9時過ぎ。コンサート会場から混雑している新横浜駅までたどり着くのに30分以上はかかるだろう…ということで宿を取る。ああ、チケット代は高いし、大阪遠征も決めているし、いったいこのツアー、いくらかかるんだろう…。 でもコンサート会場に到着して自分の席を確認したら一気に気分が盛り上がった。Bステージのすぐ脇、砂かぶり席ですよ!ックショー!そうとわかっていたら花束くらい持ってきたのに!! 最初からイイカンジで始まったけど、Honky Tonk Womenの頃からソワソワ。私の隣の男の子(といっても30代)も、Bステージ側の私の方を気にしている。「そろそろ来るよ」と男の子を誘って、Bステを取り囲んでいる策にしがみつく。策の一番上にしがみつくと床に足が届かないので、ずーっと懸垂状態。キツイ!でも間近にストーンズが見える。背中側から見るキースの肩のきゃしゃなこと! くたくたになってローソンでビールと唐揚げくんを買ってホテルへ。ぷはっ。
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ホテルフォーシーズン 3.13 2003年3月13日(木) ホテルから会社に出勤して、お泊まり道具一式を持ってホテル・フォーシーズンのブランケット会場へ。きょうはストーンズのギタリスト、ロニー・ウッドの奥さん、ジョーの誕生会の予定。ホテル・フォーシーズンは久しぶり。椿山荘で(格安の)結婚式をしたので、数年後に結婚記念日割引プレゼントで1回だけ泊まったことがある。バスローブやミニ・バー、檜のお風呂がついているバカバカしいくらい贅沢な部屋で、ジャケットを持っていなかったので、メインレストランに入るのを断られたんだっけ…。 フォーシーズンは異様な雰囲気。着物やドレスで着飾っているファンも多いけど、なりきりキース派も少なくない。会社帰りの私はツィードのジャケット。50代か60代の着物を着た女性ファンに「こういうときにフォーマル着てこない人って嫌い」と言われる。梅宮アンナがエメラルド・グリーンに染めたファー付きのドレスで立っている。ストーンズのファンだなんて聞いたこともないけど。 ジョー&ロニー・ジャガーは一瞬姿を見せたが、すごい勢いで取り囲むファンに恐れをなしてすぐに退場。その一瞬にサインをもらった人に、サインつきのCDを見せて貰う。 「あのー、きのうのコンサートにもいらしていましたよね」と、知らない人から声をかけられる。よく見たら、横浜アリーナで隣の席にいた男の子だった。 「ええ。田舎に住んでいるので、きのう横浜に泊まって、その荷物を持ったまま、ここに来たんですよ」 「僕はきのう最終の新幹線で大阪に帰って、今日また来たんです。今日も帰って、明後日のドームに出てきます」 エライ。あんたはエライ。 ページTOPへ戻る |
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東京ドーム 3.15 2003年3月15日(土) チケットを受け取ったのは、コンサート開始数時間前。受け取り場所も二転三転して、「公演前に止めてある銀色のワゴン内」。もちろん経験はないけど、クスリの受け取りってこういう感じ?相手はダフ屋じゃないけど、定価以上の値段がついたチケットを買うのは違法なんだろうか。席はステージから5列目、Bステージに続くブリッジから2番目の席。危ない思いをしながら手に入れただけのことはある位置だ。
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東京ドーム 3.16 2003年3月16日(日) よりいい席を手に入れるためにダブって持っていたスタンド席のチケットを友人夫婦に定価で譲る。幸い喜んでくれてよかった。会場のドームと同じ敷地内にあるビルで、ロニー・ウッドの絵画展をやっているのでヒマ潰しに友人夫婦と一緒に見る。数年前のコンサートで会ったファンは、ロニーの絵を数十万円出して買ったとか言っていたけど、私が欲しい絵はない。 友人に「きのうのオープニング曲は何?」と聞かれてもすぐに答えられない。「JJFかなぁ。あ、でもアンコールで出たから違うか。1回のコンサートで2回同じ曲やるはずないもんね」なんてまぬけな答えを返す。 スタンド席の友達と別れてついた席はBステージ至近距離。Bステージに来たストーンズがやったWhen the Whip Comes Downを一緒に歌っていたら、前にいたでかい白人のにーちゃんが振り返って、「C'mon」と呼んでくれる。にーちゃんは、次のMannish Boyの歌詞なら全部知っているという感じで、「…age5」と、5本の指を突き出すので、一緒にギャーギャー歌った。You Got Me Rockingが始まると、にーちゃんは「Let her go. She's my teacher」とか何とかいいながら私を前に押し出して(何の先生?)、ステージに近づけてくれた。おかげでステージにしがみついて見ましたよ。にーちゃんにお礼を言って自分の席に戻ると、周りの人が「行っちゃったね〜!どうよ、よかった〜?」と声をかけてくれる。みんな同じところから(1枚5万円コースの)チケットを買った人達なのか、連日遭遇するので、何となく顔なじみ。
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大阪ドーム 3.20 2003年3月20日(木) 遠征日だけど1日の休暇が取れなかったので半休。大阪ドームのコンサートは2日間だけど、持っているチケットは4枚…。よりいい席を手に入れるため、「保険」で買った余分のチケットが1枚ずつ2日分あるから。会場で売りたいけど、スタンド席なので望み薄。一応早く会場入りして様子をうかがうと、すでにあちこちにダフ屋がいる。アリーナの前から15列目を2万円ポッキリで売っているじゃないのよ!ダフ屋の話を聞いていたら、英語が下手な白人の男が寄ってきた。「アリーナの15列目がたったの2万円だって!」と英語で説明すると、「欲しい」という。「欲しいってさ」と、ダフ屋と白人のにーちゃんのにわか通訳になる。 ところがにーちゃんは、「僕はすでにスタンドのチケットを持っている。それが13,200円だから、差額の6.800円で売ってくれるかな」。ダフ屋に通訳しながらも「あなたの13,200円の席を欲しい人なんかどこにもいないから、無理」と伝える。売れそうもないなら、私の持っている余分なチケットは誰かにあげてもいいんだけど、にーちゃんのスタンド席は私が持っている席よりはステージに近い。タダでこの席で見るより、2万円出してアリーナで見たいよね。ダフ屋からチケットを買おうとしている人もいないので、私もチケットを処分するのはあきらめて会場に入る。開演時間が来てもスタンド席はかなり空いている。もう大阪でストーンズは無理かも。
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大阪ドーム 3.21 2003年3月21日(金) コンサートに行く途中の地下鉄で、顔なじみのストーンズ・ファンに会う。東京ドームで、声をかけてくれた60代?のカップルだ。ベロマークがついたスタジャンを着てキメている。思わず声をかけると、奥さんらしき人が「ストーンズに会えないかと思って同じホテルに泊まっているのよ」と教えてくれる。「どこのホテルですか?」「リッツ・カールトン」。ああ、やっぱりね。前回もそうだったみたいだもんね。あたしゃ前回が難波ホテルで、今回は東横インですだ。東横インは朝食代わりのおむすびつきで、2泊しても1万円でおつりが出ましただよ。60代でもミーハーなファンを見てなんだか嬉しい。 日本ツアー最終日はBステでLike A Rolling Stoneをやって観客を大いに喜ばしてくれました。思えば5年前のこの日も大阪ドームの二日目で、ミックの声が出なかったんだっけ。今回も連日のコンサートでハードだったと思うけど、見事でございました。1978年のSOME GIRL'S TOURのアナハイムでヨレヨレになった姿を見せた以降は、ミックはどんどん体を鍛えてタフになっていくね。本当にすごい。5年前のコンサートでは、革のブーツでコンサートに行っていた私も、今回は2万円もするウォーキング・シューズをコンサートの直前に買って、思いっきり飛び跳ねたよ。また次に会う時まで元気でいようね!
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