THE ROLLING STONES
イライラの日々 (A Bigger Bang Tour)
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2006 A Bigger Bang Tour |
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東京ドーム 3.22 2006年3月22日(水) 小雨の中、ストーンズの東京ドーム公演初日に行ってきた。 もちろんストーンズ・ファンは傘なんかささない。ひどい嵐の日に生まれた。だけど今じゃどうってことない。楽しくやっている。ジャンピン・ジャック・フラッシュさ。ヘヘイヘイ! 気分を落ち着かせるために寄り道をしたので、会場に入ったときには、もう前座バンドが演っていた。うるせーな…と思いきや、けっこういいバンドだった。 リッチー・コッツエンバンド?ボーカルもよかった。でも、これが終わらないとストーンズが出てこない。 アリーナと2階席はけっこう人がいるが、1階席の上半分はガラ空き。サクラでもいいから入れろよな。 私の席は、アリーナの前から5列目、右から2番目。ステージまで遠いし、スクリーンもよく見えない。でも端っていうのはいい。手足を振るまわすスペースがある。 8時頃、ようやくストーンズが登場した。今回のウリで、チケット代高騰の原因でもある、巨大ステージのスクリーンでは、オープニングを盛り上げようと、さまざまな影像を流していたが、ギターの音が聞こえてくれば、そんなもの見るバカはいやしない。 オープニングは、Jumpin' Jack Flash 。特に客をあおるでもなく、普通に演奏しているストーンズがかっこいい。短い赤のジャケットが、ミックにぴったりだ。キース様はちょっと太って、自慢の細長い足も前ほどセクシーではないけど、ギターは前よりお上手。以下の曲目は…忘れた(爆笑)。10曲目くらいまで覚えていたんだけど、踊っているうちに、そんなことどうでもよくなってしまった。詳しい曲目はこちら。 珍しかったのは、Let's Spend The Night Together, As Tears Go By, Get Off Of My Cloud。AS Tears Go Byのキース様のギターはすごかった!AngieとかAs Tear Go Byとか、バラードは、昔の甘い歌い方より、最近の方がいい。オーティス・レディングのナンバー、Night Time Is The Right Time も、ノリノリですごくよかった。リサのボーカルもかっこいい。 A Bigger Bang からの新曲4曲(Oh No Not You Again, Rain Fall Down, Rough Justice,This Place Is Empty)。やっぱり新曲のあるツアーはいい。前回のLicks Tourは、ほとんど新曲がなかったので、(ヤル気ないんじゃねーの?)と疑ったくらいだ。 それからLicks Tour日本公演では1回も演奏しなかったMiss You。Miss You からBステージに移って、数曲演った。 今回のBステージは、お太鼓橋で渡っていくのではなく、動くステージ。いつの間にか、ストーンズがのったステージがメインステージから離れて、会場のまん中に移動していた。アリーナの端っこにある私の席からは全く見えないので、椅子の上に上がって踊っていたら、3曲目くらいに警備員に注意された。でも、スクリーンにも映されないし、椅子に乗らなきゃ見えない。うす暗い何も見えないアリーナで、つったって音だけ聞いているなんてバカみたいだ。 メジャーな曲で演らなかったのは、Gimme Shelter, Street Fighting Man, It's Only R & R など。これから24日、29日、2日、5日と4日間あるので、これらの曲を含めて、意外な選曲が楽しめそう。 それにしても、ストーンズはかっこよかった。 前回のジャパン・ツアー初日、武道館では、コーフンしすぎて、1曲目でブラジャーのホックがはずれてしまったので、今回は、Cool Calm & Collectedに…と思っていたが、ダメだった(笑)。さっさとジャケットを脱ぎすて、Tシャツで跳び続けた。トシでもうダメかな〜と思っていたけど、まだまだやれるじゃん!>自分。真夏に10kmウォーキングしても、36度のインドで観光しても、Tシャツが湿る程度の汗しかかかなかったけど、ストーンズのコンサートでは、額からも汗が出た! それにしても、ストーンズのコンサートに来て、動かないヤツってなんなの?アタシはアタシがストーンズを楽しむためには、コンサート会場は満杯で、みんなに踊ってほしい。大金出せばストーンズのコンサートに行けると思っているヤツは間違っている。 ストーンズの曲を歌えないヤツは来るな。少なくてもMiss YouとYou Can't Always Get What You Want くらいはコーラスできるようにしとけよ。 アリーナで突っ立って踊らないヤツは帰れ。邪魔なんだよ。踊らないなら立つな。そもそもそんなヤツはアリーナじゃなくてもいいじゃん。アタシが前に走ろうとしたとき、でかいガタイで阻止したヤツがいたな。なんで一緒に走って前に行こうとしないんだよ。 四十肩や五十肩で、腕の上がらない人もアリーナには来るな。 BMIが29以上のヤツは痩せろ。長年努力しつづけているるミック様に失礼だ。 写メールとったり双眼鏡で覗く余裕のあるヤツもアリーナには来るな。それどころじゃないんだ。 帰りにストーンズのパンフレットが入った袋を傘がわりにしていたヤツがいたな。なんてことしてくれるんだ!ストーンズ様のパンフレットが雨に塗れないように、シャツの中にしまって帰れよ。
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東京ドーム 3.24 2006年3月24日(金) 会社を早退して、ヤル気満々のcindyさんと、東京ドームホテルで待ち合わせ。ストーンズのTシャツでキメてる。好きだな〜、こういう姿勢。席は別々なので、お茶だけして、あっさり分かれて、それぞれの席へ。 きょうのシートはBブロック。おとといより後方だが、ステージはむしろ見やすい。ゲッ、前の列に、おととい動かなかったイワオのようなヤツがいるぜ。 2日目なので、おとといよりは多少余裕がある。cindyさんに、「真ん中からベロ出た?」と聞かれても、「知らない。セットほとんど見ていなかった」とか、ぼけたことを言っていたが、きょうは、セットも目に入る。う〜ん、おとといより、巨大ステージのバルコニー席に人が多いようだ。このバルコニーの観客は、セットの一部なので、多い方が見た目がいい。 オープニングは、Start Me Up。いいねー!客も22日より、ずっといい。乗ってる。こうこなくっちゃ。 2曲目は前日やらなかったIt's Only Rock'n'roll。3曲目のOh No, Not You Againも、おとといよりずっといい。6曲目Worried About You !椅子に座ってキーボードを弾くミックは珍しい!この曲はファルセットがあるので、ミックのコンディションがいいときしか出てこない。そして7曲目に、めったにやらないAin't Too Proud To Beg をやったかと思うと、続いてMidnight Rambler。ミックのブルースハープはピカイチだ。Worried About You と、Midnight Ramblerだけでも、22日にくらべてお得な感じ。もっとも、22日は、As Tears Go Byと、Night Time Is The Right Timeがあったから、比較するのは難しい。 でもやっぱり東京最終日だけあって(2日間しか、しないけど)、気合いが入っていた。おとといより、客の入りもノリもよかったせいもあると思う。途中で、近くの席のワカモノが、「みんなのってやれよ!」と、叫んでいたが、まったくその通り。不感症の客相手じゃストーンズだってのれないぞ。きょうも、ピクリともしないヤツがいたな。 それから前言を撤回する。Miss YouとYou Can't Always Get What You Wantだけじゃダメだ。SatisfactionやBrown Sugar, It's Only R & Rくらい歌えなくっちゃ。 ミックは巨大ステージのバルコニー近くにも登り、ステージの後方から見ているファンにもサービスしていた。でも、キースは、きょうはステージの端っこには行かなかったね。ステージを見る余裕も今日はあった。Bステージからストーンズが帰る頃、Honky Tonk Womenの最中に、ステージの真ん中から、フラワー・ベロが出てきた。これか、cindyさんの言っていたのは。22日は気づかなかったよ。そういえば、初来日の時もHonky Tonk Womenの時に、ルビーちゃんやアンジーちゃんが登場したのでした。リサはミックだけじゃなく、キースにもからむ。テレながらもギターを弾き続けるキースがカックイー。 Brown Sugar のYeah Yeah Yeah Hoo!も、久しぶりにたっぷりやってくれたので、観客も心地よい疲労を感じることができたはずだ。 それにしても、動けるスペースが狭い。飛行機のエコノミー席で踊っているようなもんだ。アリーナの客はどうせ立ちっぱなしなんだから、椅子、いらないんじゃないの?ほとんど縦方向のジャンプと、拳を振り上げるくらいしかできないよ。ヘンなもんで、隣が動かない方が、体がぶつかっちゃうのね。やっぱりアリーナで動かないヤツって邪魔…。 今回のジャパン・ツアーで、今日よりいいコンサートなんて見られるんだろうか?来週はサッポロ。踊って雪を溶かして欲しい。その次は、いよいよ私のホームグラウンド、サイタマ(まだチケットは届いていないけど)。全国の埼玉県民(?)、結集して、今日(きのうか、もう)の東京ドームより、いいコンサートにしよう!
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サッポロドーム 3.29 2006年3月29日(水) (欠場)
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ビガバンさいたま 幸運の女神 2006年4月2日(日) 九州にステージを見に行く予定だったcindyさんが、旅行を取り止めて、ストーンズのサイタマ・スーパー・アリーナを見るという。35,000円のS席を予約して取りに行ったら、アリーナだったという。 うらやましい! しかし、しかたあるまい。私はインドから夫に頼んでチケットを取ってもらったけど、cindyさんは、旅行代理店に入れていた予約をキャンセルしてまで、さいたま・スーパー・アリーナに行くことを決め、2時からチケット売り場に並んでいるのだ。さいたまは今回の来日ツアーの中でも一番高い。神様だってその熱意をかったにちがいない。 携帯で連絡を取り合って、さいたまアリーナでお茶。 「アリーナ、いいなー!!」というと、「スタンド席と交換する?」と、思ってもみなかった返事が…!cindyさんは、前回(3.24)のアリーナが、あまりにもステージから遠く、生ストーンズが見えなかったので懲りたらしい。とにかく手足をバタバタさせたい私には願ってもないご提案。お言葉に甘えて、チケットを交換させていただく。 それにしても、10数年間、会っていなかったcindyさんと再会できたのもブログのおかげ。そして再会できたおかげで、あきらめていたアリーナ席も…。 インドで1日平均5つくらい、寺参りをしていたのがよかったのだろうか。神様、cindy様、ありがとうございます! |
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さいたまスーパーアリーナ 4.2 2006年4月2日(日) 席はアリーナの一番後ろ。中央からちょっと右寄りだけど、会場が狭いので、ステージもバッチリ見える。さいたまスーパーアリーナは初めてだが、武道館よりさらにアリーナが狭い感じ。東京ドームの3/5、2/3くらいの広さか?一番後ろでも、ステージが近く感じる。しかも、通路も広いので、ジタバタするスペースはたっぷりありそう。会場が狭いので、巨大ステージはなし。かえってこっちの方が、視界の邪魔になるものがなく、シンプルでいい感じ。 これでストーンズを見るのは通算30回以上になるのだが、相変わらず、待ち時間にイライラ・ドキドキ。若い時分は、ビールやミニチュア・ボトルのカルバドスなんか持ち込んで、イライラを紛らわせていたものだが、もうコンサート中にアルコールは飲めない。ストーンズが出てくるまで、ドキドキして3回もトイレに行った。 オープニングは、Jumpin' Jack Flash。22日は赤ジャケット、24日は金ジャケット、きょうのミックは黒ジャケットに紫のシャツ。初めてまっとうにスクリーンを見た。きゃー、ミック、卑猥な腰つきだわ! 続いて早くも It's Only Rock' N Roll…「あっせー あーいのぅ、いっつおんりい ぅろっくん ぅろう〜ぅ」 日本全国の中学校では、R と L の発音練習のために、この曲は必唱歌にするべきだ。 Let's Spend the Night Together…「ドレミダーン!」 Oh, No, Not You Again…ああ、いくらサビの部分だからって、ストーンズ様に向かってそんなことを言うなんて…。 Wild Horses…いいねぇ〜、この歌詞。 Midnight Rambler…ミックのブルース・ハープがさえる。 「Everybody say, Ah!」 あーぅ!! どんどん進み、メンバー紹介。キースはミックの肩に手を置いて、1982年以来の仲良しポーズだ。この日は2度仲良しポーズをキメた。これもくわえ煙草と一緒で、ステージ用の振り付けなのかもしれないけど、見ていて楽しい。続いてキース・コーナー。 キースの発言は、日本語訳では「俺は…だぜ」と訳されることが多いけど、丁寧な口調だった。 「Ladies and gentlemen...Nice to meet you here, anywhere ...nice to join you...」 でも、そのあと、「がははは…」と笑ったところがキースっぽいね。 「This place is empty,........without you」 と、曲目紹介。そうですよ、HIKISHIOさん、サッポロ公演の前に、『サポーロはチケかなり余ってるらしいです。キースの「This Place Is Empty」がシャレになりません』なんて書いていたけど、キースは、「空っぽの場所」とだけ言ったんじゃなくて、「…君がいなけりゃ」と言ったのです。サポーロは、HIKISHIOさんがいたから、「空っぽの場所」にはならなかったのです。たった62歳でこれほど優しく歌えるなんて、どんなに苦労をしてきたのねぇー、キー坊ったら。 続いて「Happy」。(えー、またこの2曲?)なんて思っちゃったけど、ジャカジャカジャーンという、キースのギターを聞いたら、そんなこと思った自分をなじりたくなった。Happyのギターは、私が聞いた3日間で、サイータマが一番よかった。 いよいよBステージ。どんどんストーンズをのせたステージが近づいてくる。もう、いてもたってもいられない。通路側の隣の女の子に目配せして、ほとんど同時に席を離れる。警備員も止めないので、するする前に行けちゃう。みんなどんどん前に行く。アタシは嬉しくって、スキップしていた。Bステージのまわりに観客が平和的に共存している。これだよ!これ! 3年前、横浜アリーナのBステ前で、隣の人に「そろそろ来るよ〜」と声をかけて、席を離れたこと。そのとき、ステージ前の柵に必死にぶら下がりながら、至近距離でストーンズを見たこと。東京ドームで、白人の大男とタッグを組んでBステージ前に行って、2人でManish BoyとWhen the Whip Comes Downを歌ったこと、11年前に、福岡ドームで、最前列まで走っていって、ステージから降りてきたミックの汗を見たこと…そんなことがはっきりと思い出される。 Bステ前の席の観客は、誰も文句なんか言わない。みんなノって楽しく踊っている。私の前のワカモノは、椅子の上にあがって踊っているけど、もちろん私も引きずり降ろしたりしない。これはコンサートだ。みんなで楽しく歌って踊って、ストーンズも楽しんでくれれば、サイコー。俺の席だとか、見えないとか、ケチくさいことは言わない。Start Me Up あんたは、大の男をヒイヒイ言わせる あんたは、死人もイカセル そうだ、あんた達は40女も踊らせる! Bステの4曲が終わって、ストーンズのステージも遠ざかったので、アタシもスキップしながら自分の席に帰ってきた。隣近所の客はまだ、前の方の席で踊っているらしい。いいねー。 バラバラと観客が自分の席に戻って、数曲やったあと、ミックが叫ぶ。 「サァ、イクゾー!」 おぅ! 「サァ、イクゾー!」を聞いたら、じっとしていられない。踊るために、アタシはまた自分の席を離れ、照明付近の空きスペースに飛び出す。ストーンズ側の指示が出ているらしく、警備員は止めない。がんがん踊れる。踊っているのか、ジタバタしているのか、なんだかわからないけど、タ・ノ・シー! Brown Sugar, Yeah Yeah Yeah, Hoo ! 毎回毎回、25年も、30回以上、無条件にのせられているアタシって、ノーミソないんじゃないの?ノーミソなくたってハートはあるぞ。 「Thank you ! Good Night!」 そういわれても、このままじゃ眠れない。アンコールを待って、そのまま席には戻らない。 You Can't Always Get What You Want…「イッショニウタッテ…mmm, wait, wait, wait…」歌いやすいフレーズまで待ってくれる。 最後は怒濤の I can't Get No Satisfaction…ドームの花火の代わりに、紙テープが上から降ってくる。チクショー、こっちまでこないや。GS席だけか? ああ、気持ちいい。 ステージの出来は3月24日の東京ドームの方がよかったかもしれないけど、狭いだけにお客のノリがよかった。やったね、全国の埼玉県民!35,000円でディナーなしかよ…と文句を言っていたことなんか忘れた。食べられないよ、ディナーなんか。 次はナゴヤ、4.5。サッポロでは、「この曲知ってるべや〜」が出たらしいけど、ナゴヤ弁も出るか?楽しみなような、恐いような…。続きはナゴヤで!
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ナゴヤドーム 4.5 2006年4月5日(水) 名古屋駅に降りたとたん、頭の中は「Satisfaction」。この曲はビガバン・ツアーではアンコールの定番だけど、何かにとりかかるときには、よくアタシの頭の中で鳴っている。オリジナル曲のささやくような歌い出しと、なにより「ジャッジャージャジャジャー」というギターの音が、「いよいよだぞ」という気持ちとぴったりしている。名古屋に来たのは初めてだ。 ナゴヤドームに向かう道は「Gimmie Shelter」。だんだん気が立ってくる。it’s just a shot away,shot away,shot away…。 ナゴヤドームでは、「もうすぐ開演です。お席におつきください」というアナウンスを繰り返している。リッチー・コッツンバンドは4度目ともなると、どうでもいい感じ。うまいんだけどねー。ストーンズよりうまいかも。でも、なぜかピンとこない。 席は一番前のかなり右寄り。きょうもスクリーンは見えない。アタシの席の上に、隣のガキが置き捨てたと思われる、チラシがあって、カッとして床のうえにどけるが、前座バンドの終わった後、気を取り直して、ゴミ箱に捨てにいく。ガキ!it’s just a shot away,shot away,shot away…。 Jumpin' Jack Flash お〜!思っていたより、近いぞ!一番前だから当たり前だけど。生ストーンズがよく見えてちょっとびっくりした。3曲目She's So Cold。この曲はそんなにヒットした曲じゃないけど、初めてストーンズを見た、Tatoo You Tourで演った曲なので、思い入れが強い。映画Let's Spend the Night Togetherは何度も見たので、曲がかかると、ミックの動きまで思い出されるほどだ。そして日替わりのバラードは、 「コノキョク、オボエトル〜?」で始まった、Ruby Tuesday!フルコーラス歌えるぜ!感動的なことに、キースがバック・コーラスを歌っている!久しぶりだがね〜! Oh No Not You AgainもRain Fall Downも、かっこいい曲だし、ストーンズも力入れて演っているのに、客のノリはイマイチ。You Got Me Rockingで、ようやく観客が暖まってきた感じだ。つづくGimme Shelterも、東京ドーム3.24に比べると、ちょっと精彩を欠く。どうもナゴヤドームはコンサートに向いていないようだ。反響で、音がずれて、リズムが取りにくい。 Tumbling Diceで、ミックがステージの左右に行って、客を煽る。ミックがいるうちは、隣の若造も、柵にしがみついて、必死に腕を振り上げているが、ミックがいなくなった途端、腕をおろしてやんの。体力ないなー若いくせして。その気配を感じたのか、一度センターに戻りかけたミックが、振り向いて、もう一度右サイドにやってくる。 メンバー紹介。ミックとキースは繋いだ手を高く上げて、仲良しポーズ。そしてキース・コーナー。 「Good Evening....How are you doing ?....Looks so nice...OK! 」思いがけないくらい明るいキースの「OK!」の声で、「This Place Is Empty」が始まる。Happyは、出だしのギターがちょっとスライドがかっていた。 続いてMiss you…どんどんステージが移動して、最前列のアタシの席からはほとんど見えなくなる。しょうがねー、また椅子に乗るか…と思って、自分の椅子を見ると、他の女の子の片足が乗っかっている。 「すみません!後で椅子拭いておきます!あ、柵に寄っかかって、こうすると、よく見えますよ!!」なんて言っている。ほほえましい。「遠慮しないで、椅子、乗っかっちゃって」といって、飛び上がりながら、Bステを見る…見えない。柵に昇ってみたけど、やっぱり柵に昇ってただ見るだけはつまらない。見えないながらもBステの方を向いて、踊っていた。 Get Off Of My Cloud …いいね!Love You Liveで聞いたときにはびっくりしたけど、今聞いてもいい! Honky Tonk Women…ストーンズがステージに戻ってくると、椅子に片足乗っけていた女の子はすかさず、STONESKEITHのプラカードを出して振っている。かわいくって、思わず女の子にGood Job!サインを出す。女の子ったって、35は超えていそうだけど。 でも、なんとなくきょうはノリがいまいちだ。ナゴヤドームの音響のせいもあるけど、どうもストーンズのコンビネーションもよくない。なんとなくテンポも遅い?それでも、ミックはなんとか立て直そうと、ステージの左右まで必死に動き回っている。とうとうStart Me Upの頃には、私の隣の若造も、自発的に動けるようになっていた。Brown Sugarに至っては、ほとんど力業だ。これで乗れないヤツはいないだろう…といわんばかりに。 至近距離に近づくミックやキースを見て、誰もがギャーギャー叫びながら、柵にしがみつき、もがいていたが、アタシは妙に平和な気分になっていた。ミックやキースは、なんだってこんなにきれいなんだろう。ミックがアタシを見なくてもいい。アタシはいつまでもあなたを見ていたい…。 座りながらアンコールの拍手をしているヤツがいる。前から2列目の席で、だ。信じられない…。あんなコシの強い味噌煮込みうどんを食べていながら、足腰弱いんじゃねーの。 アンコールの2曲を演った後も、ナゴヤドームには延々とアンコール!の声と拍手が続いた。東京ドームでは、ストーンズがお辞儀をしている間にもう帰り支度をしている客もいたのに。もしかして、もう1回出てきてくれるんじゃ…という期待もむなしく、場内の灯りがついてしまった。 日本公演最後としては、物足りないコンサートだった。東京ドーム3.24、サイタマ・アリーナ4.2に比べると、平凡で不完全燃焼。でも、これがストーンズなのかも。Bridges to Babylon Tourの大阪での最終日、2日連続公演だったためか、ミックの声はほとんど出なくて、ひどいできだったけど、ツアーにはこんな日もある。このむらっ気と不完全性が、できる限り数多くコンサートを見たいと思わせるのかも。 プラカードを用意して、日本公演全5回行ったという女の子と、「終わっちゃったね」なんて話したけど、ストーンズはこの先も、上海、ヨーロッパと延々とツアーを続けていく。 また3年後もお互い元気で会えるかな?
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