1998 BRIDGES to BABYLON TOUR
THE ROLLING STONES
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大阪はオモカッタ
( B to B Tour 大阪遠征記)


ストーンズを追いかけて、生まれて初めて行った大阪
1日目

 「くいだおれの町」に行くためにいつもより1インチ大きいジーパンを履いていこうとしたところを夫に見つかる。
 「ストーンズのコンサートに行くんでしょーが!」
 
 くく〜っ、そうです。しかたなく、いつものコンサート用のビチビチ・ジーパンにはきかえる。

 強風のため新幹線は30分遅れで新大阪に到着。4時にならないとチェックインができないというので、とりあえずお好み焼きを食べることにする。

 「ぼてぢゅう」にはいると、タイムサービスでわらびもちがついてくる。ラッキー!お好み焼きが焼けるまでわらびもちをつまみに生ビールを飲む。久しぶりの生ビールなのでおいしい〜!

 しかしこのお好み焼き、東京のぼてぢゅうで食べたのとぜんぜん違う。
東京で食べたのは、溶いた小麦粉の中に、肉、イカ、キャベツなどの具が混入されており、そこへ生卵をおおざっぱに混ぜて焼いた上に、かつおぶしや青海苔をさっとふりかけたもの。厚さは1.5cmくらいで、鉄板でジュ〜と焼いて5分位でできあがる。ソースやマヨネーズは客が好みでつけて食べる。

 ところが大阪の店で焼いてもらったお好み焼きは、小麦粉の量よりキャベツが多く、パリッというよりしんなりといった焼き上がり。厚さも3cmはあるので、弱火でふたをかぶせながらじっくり焼いていた。卵は具の中に混ぜるだけでなく、さらに1個鉄板の上でぐちゃっとした目玉焼きを作りお好み焼きにはりつける。ソースはあらかじめべったりはけで塗ってくれた。

 テーブルの上には辛口ソースと甘口ソースと白っぽいマヨネーズ、芥子が置いてあるけど、このべったりソースが塗られたお好み焼きを、これ以上いったいどうしろというのじゃ!

 食べてみると小麦粉が少なくてキャベツの蒸し焼きといった感じ。まずくはないがソースの味が強い。ちょっとソースを掻き取りマヨネーズをつけてみる。うん、こっちの方がいいな。それにしても量が多い。昼を食べていなかったけど、夜までこれだけで足りそう。

 チェックインを済ませ道頓堀へ。名物のかに道楽、くいだおれ人形などを見学。うわさのハーゲンダッツ道頓堀店に着く。

 すげー…。

 アイスクリーム屋というよりは遊園地。メリーゴーランドあり、オルゴールあり、ネオンあり。コーヒー味を注文して、店内中央にあるドーナッツ状の椅子に腰掛ける。私が座ると、店の人がなにやらねじを巻いてくれて椅子が上下運動を始める。いままでオルゴールの音がしていたのになぜか「ラジオ体操第一、はじめ」となつかしい音楽が鳴り始める。
2日目

 夫はカルカッタに行ったとき、「大阪だ!」と叫んでいたけど、ここのどこがカルカッタに似ているのかよくわからない。…と思っていたが、地下鉄に乗って納得。ホテルや駅では東京語(ヒンディー語)を使っているけど、地元民同士では大阪語(ベンガル語)を使っているのだ。大阪語は東京語より母音が長いような気がする。「コンサート」という言葉は大阪語では「こんさぁーとぉ("ぁ"にアクセント)」と発音される。

 さて、今日の目標は「まむし」と「串カツ」。まずは天王寺の鰻屋を目指す。
 東京の鰻丼はご飯の上に、あらかじめ蒸してたれをつけて焼いた鰻がべろりとのっかっている。大阪の鰻は蒸さないで焼いたもの。鰻丼のフタをとると、たれのかかったご飯が素っ気なく見える。盛りつけなど全く気にする風もない。
 中には鰻の切れっぱしがところどころ入っている。うーん…私はご飯の間にべろりとした1枚の鰻がはさまっていると思っていたのでちょっと寂しい。蒸していない鰻は歯ごたえがあるから食べやすく切ってあるのだろうか?
 東京の鰻のたれは甘辛くてべたっとしているが、このまむしのたれは甘み控えめでさらっとしている。串カツが控えているので少し残してもしかたないと思っていたがつい全部食べてしまう。キモ吸いと上まむしで1,207円。7円負けてくれる。

 腹ごなしに天王寺公園を散歩。東京で見損なった「アンコールワットとクメール美術の1000年展」を見に行く。カンボジア風に変わり果てたシヴァやヴィシュヌの姿に驚く。ブッダとコブラについて「瞑想しているブッダをナーガが雨から守る」と説明書きがある。

 美術館から通天閣へ。

 うっへー。すごい!すごいカルチャーショック!「ふたりっこ」でしか知らなかった新世界がここにある。あれってテレビの中だけの話じゃなかったのね。通天閣の中や新世界界隈の人々の話を聞いているとみんな漫才みたいで、思わず笑ってしまう。ビリケンのキーホルダーを土産に買う。

 新世界ジャンジャン横町の串カツ屋に入る。場違いだったらしく、「いらっしゃい!おじょうちゃんおひとり?」と聞かれる…。

 「ビールと適当に串カツ5本みつくろってください」という私のことばが聞き取れなかったらしく、2〜3回聞き返される。しばらくして出てきたのは「牛カツ5本」と、大瓶のビール。
 うううう…ここではヒンディー語が通じないんだ〜。まむし食後2時間弱ではあるが、おじょうちゃんムキになって牛カツを手酌ビールで平らげる。

 だいたいお好み焼きにしろ串カツにしろ、ビールなしでは食べられないものばかり。痛風の夫と一緒には当分来られそうもない。
 周りを見ると、体斜めになっているおっちゃんやら太って足の悪いおばちゃんやらがやけに多い。昼間っからこんなに安くてビールのすすむものを食べてりゃいつかはそうなるよね。

 夜はコンサート終了後 ヒロミ  GO のイタリアンレストランへ。
 残念ながら予約で満席。ストーンズのファンクラブかコンサート・スタッフでも借り切ったか。疲れていたのでミスタードーナッツを買って帰る。

3日目

 朝から全然お腹がすいていない。
 東京ドーム4日間で1.5kg減らした体重はすっかり元に戻ってしまったことだろう。それでもチェックアウト前に朝食バイキングをさらっと食べて出る。

 今日はぜひとも「イカ焼き」を食べたい。ガイドブックによると、阪神デパートのイカ焼きは行列ができるほどだそうだ。行列に並んでまでして食べるのはいやなので開店と同時にデパートに入ることにする。(デパートが開店するまで5分も並んだけど…)

 「イカをミンチ状にして小判型に焼いたもの」という友人の情報から、イカハンバーグというか、イカの薩摩揚げのようなものを想像していた。してその実体は?

 > 作り方は至って簡単で、焼いた鉄板の上にメリケン粉の溶いたの流し、そこにイカの切り身(ゲソなんか)に小麦粉をまぶしたのを置き、それをもう1枚の鉄板で挟んで焼きあげる。できたら、お好み焼きソースを塗って、熱いうちに食べる。挟む前に卵を割って落とせば豪華版になる。

 という大阪在住の友人が教えてくれた通り。食べてみるとたこ焼きのイカ版、ただし形は小判型といった感じ。

 大阪って小麦粉文化圏なのね。うどん、お好み焼き、たこ焼き、串カツ、イカ焼きと何でも小麦粉使ってある。早くお腹いっぱいになるけど、こしひかりで育った私にはなんとなくみんなおやつみたい。


 新大阪の駅で、たこ焼きを食べようと思ったけど時間切れ。キオスクで買ったたこ焼きは製造元が東京でした〜。ああ、お腹いっぱい。お腹が重い。

 今晩の夕飯は「大阪寿司」と牛カツ以外の串カツ」5種。また大阪に行くことがあれば、ぜひ「てっちり」と「関東炊き」、大阪風の割烹料理を食べたい。

1998 BRIDGES to BABYLON TOUR